はじめに
不動産投資を始める際、年収は融資の可否や投資戦略を左右する重要な要素です。本記事では、年収1080万円の私が、築41年のリノベーション済みワンルームマンションへ投資した場合のシミュレーションを行います。
「自分の年収でどの程度の不動産投資が可能か?」と考えている方の参考になれば幸いです。
1. 私の投資背景とシミュレーションの前提
ここでは、私の年収や投資目的、リスク許容度を明確にし、どのような投資が可能かを整理します。
- 年収:1,080万円(給与所得)
- 投資の目的:節税対策+資産形成
- 既存の不動産資産:住宅ローンで購入した物件を賃貸中
- リスク許容度:中程度(ローンを活用し、キャッシュフローを確保しながら長期保有)
この属性をもとに、どのような投資が可能かをシミュレーションします。
2. 年収1080万円での融資可能額シミュレーション
不動産投資において、融資可能額を把握することは重要です。ここでは、年収に応じた借入額の目安を示します。
不動産投資向けの融資では、一般的に年収の5〜10倍が借入金額の目安とされています。
- 保守的な融資(年収5倍):5,400万円
- 標準的な融資(年収7倍):7,560万円
- 積極的な融資(年収10倍):1億800万円
今回は、**オーバーローン(物件価格100%融資)**を前提にシミュレーションを行います。
3. リノベーション物件の選定基準
投資対象とする物件の条件や戦略を明確にし、長期的な運用を考えた際のポイントを説明します。
◾️ 投資戦略:都心の築41年リノベーションワンルーム
- 価格:3200万円
- 所在地:東京23区(例:新宿・渋谷・品川)
- 方針:長期保有で資産価値を重視
- 特徴:築41年だが、リノベーション済みで修繕リスクが比較的低い
4. リノベーション物件投資のシミュレーション
実際にどのような条件で投資を行うかをシミュレーションし、キャッシュフローや支出の流れを確認します。
◾️ 物件概要
- 物件価格:3200万円(オーバーローン)
- 利回り:4.4%(表面利回り)
- 家賃収入:140.8万円/年(3200万円 × 4.4%)
- ローン条件:35年返済、金利1.92%
- 管理費・修繕積立金:年間20万円
◾️ 年間キャッシュフロー計算
| 項目 | 実際の支出(キャッシュアウト) | 会計上の費用(見せかけの費用) |
|---|---|---|
| 家賃収入 | 140.8万円 | – |
| ローン返済 | -122.1万円 | – |
| 管理費・修繕積立金 | -20万円 | – |
| 固定資産税 | -4万円 | – |
| 減価償却費 | – | 180.3万円 |
| 年間キャッシュフロー | -5.3万円 | – |
→ 月間キャッシュフロー:約-4,417円(マイナス収益)
(空室リスク、管理費の変動などを考慮すると、更に変動があり得ます)
5. 税金・節税効果
不動産投資では税制メリットを活用することが重要です。ここでは、節税効果の詳細を具体的に試算します。
5.1 所得控除の計算
- 給与所得控除:195万円
- 社会保険料控除:177.1万円(概算)
- 基礎控除:48万円
- 合計所得控除額:420.1万円
5.2 課税所得金額の計算
- 課税所得金額 = 1080万円 – 420.1万円 = 659.9万円
5.3 所得税額の計算
- 所得税率:23%
- 所得税額:659.9万円 × 0.23 – 63.6万円 ≈ 87.177万円
5.4 経費内訳
- 減価償却費:180.3万円
- 管理費・修繕積立金:20万円
- 固定資産税:4万円
- ローン金利支払い分:30万円
- 雑費・その他経費:25万円
- 合計経費:259.3万円
5.5 不動産所得による所得税の変動 不動産所得による所得税の変動
- 不動産所得 = 家賃収入140.8万円 – 経費合計259.3万円 = -118.5万円
- 修正後の課税所得 = 659.9万円 – 118.5万円 = 541.4万円
- 所得税軽減額 = 87.177万円 – 65.53万円 = 21.647万円
5.6 住民税の計算
- 住民税額(修正前) = 659.9万円 × 0.1 = 65.99万円
- 住民税額(修正後) = 541.4万円 × 0.1 = 54.14万円
- 住民税の軽減額 = 11.85万円
5.7 節税効果合計
- 33.50万円の節税効果(所得税+住民税)
6 15年間のキャッシュフローと節税シミュレーション
長期的な視点でキャッシュフローの推移と節税効果を試算し、収支の変化を把握します。
| 年数 | 家賃収入 (万円) | ローン返済 (万円) | 管理費・修繕積立金 (万円) | 固定資産税 (万円) | 年間キャッシュフロー (万円) | 節税効果 (万円) | 合計収支 (万円) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1年目 | 140.8 | -122.1 | -20 | -4 | -5.3 | 33.50 | 28.2 |
| 2年目 | 140.8 | -122.1 | -20 | -4 | -5.3 | 33.50 | 28.2 |
| 3年目 | 140.8 | -122.1 | -20 | -4 | -5.3 | 33.50 | 28.2 |
| … | … | … | … | … | … | … | … |
| 15年目 | 140.8 | -122.1 | -20 | -4 | -5.3 | 33.50 | 28.2 |
(※ 家賃収入や管理費・修繕費は一定と仮定)
このシミュレーションでは、15年間で合計約-79.5万円のキャッシュフローとなりますが、節税効果を考慮するとトータルの収支は**+423.0万円**となり、黒字化します。
7. まとめ
今回のシミュレーションでは、年間キャッシュフローは約5.3万円の赤字となりましたが、節税効果を考慮すると年間約33.50万円の税負担が軽減されるため、実質的な収支は黒字となります。
15年間のシミュレーション結果からも、節税を活用することでトータルの収支が大きく改善されることが分かりました。
本シミュレーションから分かったポイント
- キャッシュフローは赤字になりやすい
- 毎月のローン返済額が大きいため、当初のキャッシュフローはマイナスになる。
- 節税効果でトータル収支は黒字に転換可能
- 減価償却費を活用することで課税所得を下げ、税負担を軽減。
- 15年間で累計約502.5万円の節税効果が得られる見込み。
- 空室・管理費増加・家賃下落リスクも考慮すべき
- 長期保有において、家賃下落や管理費増加リスクを見込んだ資金計画が必要。
- 立地や物件選び次第では、より高い収益も目指せる
- 物件の選定やエリアによっては、家賃収入を増やし、プラスのキャッシュフローを確保することも可能。
本シミュレーションの結果から、節税効果を活用しながら長期的に安定運用する戦略が有効であることが分かりました。
8. 今後の展開
今後は、以下のシミュレーションも検討予定です。
- 年収900万円の場合
- 年収700万円の場合
- 年収1500万円以上の場合
ご自身の年収に近いシミュレーションを参考にしながら、不動産投資の戦略を検討してみてください。

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